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プレーヤーから経営者へ

プレーヤーから経営者へ

オープンして早3年が経とうとしている月とスパイスですが、初めてちゃんとした集合写真を撮りました。

 

今年は社員さんを1名お雇いできて、バイトさんも増えて、気づけばハーレム状態のオーナーです。

 

というのは冗談(半分)で、今日もまた想いを綴ります。長いけどお付き合いいただけると幸いです。

 

僕が月とスパイスのオープンから今までの中で、一番大変だった(頭を悩ませた)ことはなんでしょう。

 

汗と煤まみれになりながらボロボロだった家をリノベしたこと?

真夏の灼熱の中でも毎日毎日大量に仕込むカレー作り?

 

まぁそれはそれでめちゃくちゃ大変だったんですが、答えはどちらもNOです。

 

今ではどこの組織でもありうることだと冷静になれますが、当時プレーヤー(自分でカレーを作って売る人)だった自分が、一番頭を悩ませたことでした。

 

それは「いちプレーヤーからマネージャー、経営者へと意識を変えること」でした。

 

最初のころ、一人では処理しきれない仕事を無理して続けた結果、体調を壊して精神を病み、しばらくお店を閉めざるを得なくなりました。

 

その教訓から、お店を再開した時にスタッフを増員し、自分にかかる負担を減らしました。

 

仕事を属人化した(全部自分で抱え込んだ)ことで起きた問題を繰り返さないよう、ちゃんとしたマニュアルを作ることを決めました。

 

それと同時に、見よう見まねで経営計画書も作りました。

月とスパイスの理念や使命を改めて深掘りして、当時の自分なりにまとめ上げ、スタッフの前でも発表しました。

 

自分がいなくてもお店が回るような仕組みを作りたい。自分がいなくてもクオリティを下げずにサービスを提供したい。

当時はそんな思いでいっぱいでした。

 

トライアンドエラーを繰り返しながら、接客やオペレーション、レシピなども徐々にマニュアルにしていきました。

 

本を読んで勉強したり、周りの経営者にも相談したりしながら、悩みながらも行動し続けました。

 

そんなある日「作業するだけで人間として扱われてる気がしない」と一人のスタッフから言われました。

 

言われた時、頭の中が真っ白になって、「???」でいっぱいになりました。

 

スタッフが働きやすくなるように考えたマニュアルだったのに、そんな風に思われていたのかと愕然としました。正直けっこう辛かった。

 

でも今となっては理由は明らかだし、全部自分が原因でした。

 

早くマニュアルを作って任せたい。

サービスの質は落としたくない。

 

当時そういう気持ちが強かった自分は、仕組み化することばかりに気を取られ、現場で一生懸命働いてくれるスタッフへの感謝や配慮が足りず、一番大切な「理念」や「想い」を伝えることが疎かになっていたんだと思います。

 

初めに作った事業計画書も、作っただけの空論になってました。

現場で気になることがあると口出ししてしまったり、見かねて手を出してしまったり、経営者にもマネージャーにもなりきれない、中途半端な存在でした。

 

そこから「全ての原因は自分にある」と気持ちを改め、また一からスタートしました。

 

これまで以上にスタッフと対話し、月とスパイスの想いを伝え続けました。そうすると、少しづつスタッフの一体感が生まれ、お店の雰囲気も良くなりました。

 

スタッフの主体性も生まれ始め、自然とお店がどうすれば良くなるかという話が出るようになりました。

 

前よりもスタッフ一人ひとりがやりがいを感じて働ける場になっていると感じています。

 

今ようやく、月とスパイスはチームとしてまとまってきています。この在り方を月とスパイスの文化として、ここから輪を広げ大きくしていきたい。

 

「カレー屋」だった自分が、今少しずつ「経営者」に変容しはじめています。「経営」という言葉を意識し始めてから、2年くらいかかりました。

 

これからの私の役割は「旗を振ること」

自分が思い描く、理想の世界を見据え続けること。

信じて行動し、言葉や形にして発信し続けること。

 

大きな船で航海するように、想いを共にした人たちを安全に目的地まで連れて行く。

共に育ち、喜びを分かち合い、幸せを広げていく組織を作る。

 

これからもたくさん壁にぶち当たると思うけど、信念を忘れずに突き進んでいきたい。

 

月とスパイスの使命を掲げ

信念の旗を振り続けよう。

 

自分やみんなが

道に迷った時、苦しくなった時

いつでもそこに還れるように。

 

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